「お~いお茶」発売35周年を記念し、これまでのシリーズになかった新しいコンセプトで商品化した「瓶
お~いお茶」。
新たな価値提案を目指して企画を担ったマーケティング本部の倉橋悠太氏と、長年ブランドの味づくりを裏方で支えてきた開発部門の坂田匡孝氏に、誕生までの舞台裏について聞きました。
―― なぜこのようなプレミアムボトルを販売することになったのでしょうか?
倉橋:「お~いお茶」は発売以来、多くの方に親しまれ、日常の「当たり前」になることができました。喉が渇いた時、何気なく手に取って飲んでいただいていると思います。その反面、じっくり味わっていただく機会は減っていると感じています。35周年という節目に、改めて「お茶を飲む楽しみ」を提案できたらと思い開発を始めました。
マーケティング本部の倉橋悠太氏。栽培や開発を支える関係者とのコミュニケーションを重ねながら新商品の企画を担った。
――「瓶 お~いお茶」は「せいめい」と「めがみ」の2種類で展開しています。産地や原料の茶葉はどのように選びましたか?
倉橋:お茶には香りと味わいという2つの軸があるので、それぞれの要素が際立つ商品にしたいと思いました。
香りを楽しむお茶として選んだのが、志布志の「せいめい」。未来への期待感や若々しさを感じさせる、香り高い品種です。味にフォーカスして選んだのは、ずっしりと重厚感のある牧之原の「めがみ」です。
志布志は次世代のお茶づくりを担う産地で、片や牧之原は歴史と伝統を背負いながら新しい挑戦を続けています。お茶の特徴が産地のイメージともリンクしているんですよね。味わいながら一面のお茶畑を思い描いていただけたらうれしいです。
――これまでにも様々な茶葉を扱ってきた坂田さんにとって、この2つのお茶はどんな印象でしたか?
坂田:実は私は牧之原の出身で、深蒸し茶には昔から馴染みがあるのですが、「めがみ」はその中でもとりわけ味わい深く感じました。ボトリングしたらどんなお茶になるんだろうと期待が膨らみましたね。一方、「せいめい」は苦渋味が少なくて旨味が豊か。そして被覆栽培による特徴的な香りを感じました。
――味づくりにおいてはどんなことを意識しましたか?
坂田:仕入れた荒茶の特徴を十分に理解した上で、いかに火入れし、ブレンドや抽出をするか、いわゆる“レシピ”を考えるのが開発部門の仕事です。
通常の「お~いお茶」の味づくりでは、お客様目線を大切にしています。ファンの方が「お~いお茶」に求めている味や香りを把握して、再現するということですね。ずっと同じ味だと思われているかもしれませんが、実はお客様の嗜好の変化に合わせて加工やブレンド、抽出を少しずつ変えているんですよ。
開発部門の坂田匡孝氏。15年以上にわたり、緑茶飲料の設計開発に携わる。
しかし今回は、「厳選された原料の良さをいかに引き出していくか」ということにより意識を向けました。「めがみ」に関しては、味の奥行や複雑さを出せるよう抽出の加減にこだわっていますし、「せいめい」はその香りを引き立たせるために、火入れの部分でずいぶん試行錯誤しました。
――今回はペットボトルではなく瓶での販売ですが、製法上にどのような違いがあるのでしょうか?
坂田:従来の「お~いお茶」シリーズにも共通して言えることですが、ボトリングしてから飲んでいただくまでの時間を加味した上で、できる限り淹れたてのおいしさを感じていただけるようにしています。
ただ、ペットボトルと瓶では、飲用シーンや飲み方が違うはずなので、今回はその点も考慮に入れて製法を考え、工夫を重ねています。
ペットボトルは直接口をつけて飲むことが多いと思いますが、瓶の場合は別の容器に注いで飲みますよね。「せいめい」は、口のすぼまったワイングラスのようなもので香りを集中させて飲んでいただくと、より華やかに、余韻も長く感じていただけるよう設計しました。一方、「めがみ」はロックグラスなどに注ぎ、口の中でお茶が横に広がるようにすると、滋味深い味わいをより堪能できると思います。
――「瓶 お~いお茶」をどんな方に飲んでもらいたいですか?
坂田:家族、友人、いろんな人の顔が浮かびます。ちょっと個人的な話になりますが、実は煎茶道というのを習っていまして。煎茶のおいしさを知り尽くした先生にもぜひ飲んでいただきたいですね。個性的なこの2種類のお茶をグラスに注いでお出ししたら、一体どんな反応をするか……すごく気になります。
倉橋:レストランや割烹で、お酒が飲めない方に乾杯の飲み物として選んでいただけたらうれしいですね。上質なワインや日本酒と同じように、料理に合わせて香りや味わいの違いを楽しんでいただけると思います。
坂田:お祝いやプレゼントにもいいですよね。
倉橋:そうですね。一人で静かに、あるいは誰かと一緒に、「瓶 お~いお茶」を味わいながらゆったりとした時間を過ごしていただきたいと思います。
text by Kyoko Kita / photographs by Hide Urabe容量:375ml
3,240円(税込)
手間ひまかけた被覆栽培と
牧之原市伝統の深蒸し製法が生む
コク深くまろやかな味わい。
ゆたかな甘味と旨味にふっと心がほぐれます。
テーブルに爽やかな風をはこぶ
みずみずしい液色。
満ち足りた癒しのひとときをおすごしください。
容量:375ml
3,240円(税込)
容量:375ml
3,240円(税込)
期待の新品種「せいめい」の
みずみずしくピュアな味わいを
そのままぎゅっとボトリング。
香り高く、苦味・渋味はひかえめ。
口の中にふくよかな旨味が広がります。
長い余韻にひたりながら
ゆったりと上質な時間をおすごしください。
容量:375ml
3,240円(税込)